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伝わる文章がすぐ書ける 接続詞のコツ
「はじめに」から
文章を書くときにほとんど意識していないのが、接続詞です。文のつなぎとして無意識に使っている場合がほとんどです。ところが、接続詞ほどマニアックで奥深い品詞はありません。そのため、接続詞の定義は、研究者によって異なります。その分類も「順接」「逆接」「並列」「累加」「対比」「選択」「転換」などに分けられますが、これにもさまざまな見解があります。しかし、こうした定義や分類はともかくも、接続詞が短いながら、次の文をどういう形で結びつけるのかという羅針盤の役目を果たしていることだけは、共通した認識です。
文章を書く際の一番小さな単位が「文」です。文がいくつか集まった言語作品が「文章」です。文章を構成する文は、接続詞を通して、その意味するところが明らかにされます。順接でつなぐのか逆接でつなぐのかによって、伝える側の視点が変わります。つまり、接続詞は文章という海を航海するために必要欠くべからざる羅針盤なのです。